「…レンさんっ!」 「遅かったな」 「レンさん!わたしを見つけてくれてありがとうございます」 「は?なんだよいきなり」 レンさんはわたしがさっきの会話を聞いたことを知らないから当然の反応だけど、伝えずにはいられなかった。 「嬉しかったんです。レンさんと出会えて、好きになれて良かったです」 止まらない想いをレンさんに伝えていると… 「なあ、お前鞄は?」 「……あ、あれ?」 「何しに行ったんだよ」 「……取ってきます…」 「もういい」 そう言うとわたしの手を取りレンさんは歩き出した。