【完】オキナグサに愛を込めて



「エマちゃんが走りの日倉庫の前に居ることは知ってたから走りの日の後またすぐ走りの日があったって訳。普通はこんな頻度で走ってたらサツに追われるから2ヶ月くらい開けるんだけどね。」


レンのやつ、早く見つけたかったんだよ。と続けたユウキさん。


「不思議だったのは、いくら調べてもエマちゃんの情報が全然出てこなかった事……」


「それって……」


「まさか白虎の総長の妹だったとはなぁ。守られてる訳だ」


ユウキさんの言葉に相槌を打つシホにはこの話が分かるらしい。
わたしにはよく分からなかった。
……ただの高校生が人の個人情報を調べられるの?


「シホちゃんの情報ももちろん出てこなかったよ。だから、エマちゃんもシホちゃんに守られてると思ってた……」


なるほど……。
宝来組といわれているシホの家系にシホは守られてるんだ。


だから気づかなかった……というユウキさんに申し訳なさを感じる。
ヒロくんの事を知らなかったとはいえ、わたしが2つのチームを掻き乱してたみたい。