【完】オキナグサに愛を込めて



それからイズミくんは教えてくれた。
わたしが黒龍に守られてたってことを。

「全然気付かなかったって顔だね」


図星をつかれたことが悔しくて慌てて顔を伏せた。

「ある時から護衛が緩くなった。そう、エマちゃんがホシミヤの女になってから。でも全く無くなった訳じゃなかったからあんまり話せなかったけどね」


イズミくんがいつも急いでたのはそのせいだったんだ。


それに、護衛が全く無くなった訳では無いって……。


「これでもクロサキは来ないって言える?」


『……こないよ。レンさんは……』


来ない。そう叫ぼうとした時、ドアが蹴り飛ばされた。