キッと睨みをきかせるわたしなんて、まるでイズミくんには効いてないみたいで余裕の笑みすら見える。
『わたしをどうするつもり?』
「エマちゃんはホシミヤとクロサキをおびき出す餌」
『おびき出してどうするつもりなの……』
「知りたい?」
わたしの生唾を飲みおく音がやけに大きく聞こえた。
この部屋の明るさに目が慣れてきた頃この部屋に金属バットや鉄パイプが転がってるのが見えた。
きっとこれは戦うための武器でヒロくんとレンさんを……。
「今頃ホシミヤとクロサキは血眼になってエマちゃんを探してるだろうねぇ」
『やめて、わたしを餌にしてもレンさんはこないよ』
「お前クロサキに守られてるの知らねぇのか?」
『……え?』
「エマちゃんと話すの大変だったんだよ、護衛が常に近くにいるから」
『わたしの護衛……?』
「あれ、気付いてねぇの?エマちゃんがクロサキの女になった頃は特に護衛が強くてなかなか話しかけられねぇの」
