「総長やってるとな、嫌でも恨みを買うこともある。その矛先が俺に向けばいいが、弱ぇやつらは家族や恋人に向けることだってある」
最初から居ないことにすれば安全だろ?と。
『家に帰ってこなかったのは?』
「家がバレねぇようにする為」
ヒロくんが帰ってこなくなったこと、わたしを隠してたことの意味がやっと分かった。
頻繁に連絡をくれてたのはきっとわたしが無事か確かめるためだったんだ。
わたしは知らないところでヒロくんに守られてたんだ……。
「それなのにエマが黒龍と繋がるなんて想定外だった」
『…そ、それは』
「こんな事になるなら俺の妹って知らしめとけばよかった」
『……ヒロくん』
