【完】オキナグサに愛を込めて



不良には縁がない人生だと思ってた。
この短期間で2つのチームの溜まり場に行くことになるなんて、人生分からないものだ……。


『あれ、誰もいないの?』

「あぁ、今日は誰も来ねぇよ」

『そっか……』

黒龍の幹部室には誰かがいたからそれが普通だと思ってた。

……そんな事よりも聞きたいことがあるんだった。


『ねえヒロくん、どうして教えてくれなかったの?』

「言う必要ねぇだろ?」

わたしが何を言いたいのかヒロくんは分かっているらしい。

『それに、わたしが妹なの隠してたのはどうして?』

「守るためだ」

『……え?』

「怖いのがダメなエマに言えねぇだろ、それに俺の妹ってバレたらエマが狙われる」

『…わたしが狙われる?』


分からないよ、ヒロくん……。
わたしが狙われる?誰に?


ハテナを浮かべて顔をしかめるわたしにヒロくんは教えてくれた。