【完】オキナグサに愛を込めて



『気持ち伝える前に終わっちゃった…』

「…エマ」

『……好きだった』

「…うん」

『レンさんの事大好き…だった……っ…』

敢えて過去形で呟いたわたしの気持ちはただの願望だったと思う。

もう忘れなきゃ…そう思えば思うほどレンさんとの思い出が溢れてくる。


昨日から何回涙を流せば枯れてくれるだろうか。

…もう涙を止めることは諦めた。
ポロポロと流れる涙を、気が済むまで流した。


シホはわたしが落ち着くまでずっと抱きしめてくれた。
エマ、頑張ったねって言われる度、抑えてた涙が溢れ出した。