【完】オキナグサに愛を込めて



「じゃあレンさんを捨てたって噂はなに?」

『昨日の放課後ヒロくんが校門に迎えに来てくれて、それでバイク乗って帰ったからだと思う…。』


なるほど…と頭を抱えるシホ。

「レンさんには言ったの?ヒロキさんとの関係」

『レンさんとは昨日で終わったと思う…』

「やっぱり喧嘩したの?」

『違うよ。わたしが泣いてめんどくさくなったんだと思う』

「レンさんはそんな簡単にエマを手放したりしないよ」

『そんなの分かんないじゃん!今日レンさんがここに来てないのが答えだよ…』


感情任せに声を上げるわたしに驚いた顔のシホ。


『ごめん…』

ハッとして謝るわたしに、

「わたしこそごめん。なにも知らないのに…」

シホも申し訳なさそうにしている。