ヒロキさんとはヒロくんだった。
星宮大希-ホシミヤヒロキ-わたしのお兄ちゃんだ。
高校3年生のヒロくんは見るからに不良で、親子喧嘩が多く中々家に帰ってこなくなってからしばらくして一人暮らしを始めたと聞いていた。

高校生のヒロくんにどうやって一人暮らしが出来ているのか不思議なものである。

そして、ヒロくんはかなりのシスコン。
家を出てからもわたしを心配して頻繁に連絡をくれる。
会えなくてもお互いに生存確認をしているみたいだった。

こうやって会うのは本当に久しぶり。


『どうしたのヒロくん、久しぶりだね』

「久しぶりに家に帰るから連絡したのにエマから返事来ないから来ちゃった」


連絡?そういえばあれから携帯を見ていなかった。
慌てて携帯を見ると確かにヒロくんから連絡が来ていた。


“今日帰るから、エマも早く帰ってこいよ”