「エマちゃん…レンの気持ちわからないの?」
『分かりません…レンさんの気持ち…』
わたしの消え入りそうな声はアキトさんに届いただろうか。
「レンに振られたら俺にしなよ」
『…え?』
「なーんてな、ちゃんとレンに聞いてきな」
その時、奥の部屋からユウキさんが出てきた。
急ぎで話すことがあるとかでレンさんとユウキさんはずっと奥の部屋で話していてそれがいま終わったらしい。
「エマちゃんお待たせ」
申し訳なさそうに言うユウキさんに
『いえ、全然です』
首を振るわたし。
「レンが待ってるから行ってあげて」
ユウキさんにもアキトさんにも言われると、行かない訳にはいかないみたい。
奥の部屋への扉を開けると今日もベッドに腰掛けタバコを吸うレンさんの姿があった。
