わたしを呼び止めたのは少し前に倉庫に呼ばれたと噂になってたマイカさん。
ぺこりと頭を下げ横を通り過ぎようとした時、
「レンさん、2人の時とっても優しいでしょう?」
長い髪を指に巻き付けながら甘ったるい声で話すマイカさんに嫌悪感を抱いた。
『……え…』
思わず声を出してしまった。
マイカさんは倉庫に呼ばれたことがあるからレンさんと2人っきりになった事があるんだ。
…わたしだけが知っていたかった。
レンさんのあの顔もあの声も…。
……やっぱりわたしと過ごす時間も、あのキスも、レンさんの気まぐれなんだ…。
