わたしがレンさんの隣へ腰を下ろすとレンさんはタバコの火を消した。
それから、
「エマ」
わたしを呼ぶ低い声と共に今日も唇を重ねる。
『……ん…っ…』
何度も角度を変えて啄むようにわたしを求めるレンさん。
時折漏れるわたしの声だけがこの空間に響いていた。
優しく甘いレンさんに必死で応える為制服の袖をギュッと掴む。
───キーンコーンカーンコーン
お昼休みの終わりを告げるチャイムと共にこの甘いひと時は終わりを迎える。
わたしはレンさんに応えるので精一杯なのに、レンさんは息なんてちっとも乱さずに涼しい顔をしていた。
すっかり息が上がったわたしの頭を撫でたレンさんに
「またな」
と言われ、教室へ戻るのが最近の流れ。
その頃にはいつもアキトさんもユウキさんも居なくなっていた。
