その日を境にレンさんとの曖昧な関係は、さらに曖昧なものになった。
お昼休みにはレンさんが教室へ迎えに来る。
まるで俺のものと周りに示すように肩を抱き、空き教室へ向かう。
空き教室にはアキトさんやユウキさんが居て他愛ない話をする時間は変わらないけど、1つ変化があった。
お昼休みが終わる5分前。
レンさんは奥の部屋へ足を進める。
わたしもレンさんの後を追う。
後から聞いた話ここは総長と総長が許した人しか入れない部屋らしい。
ベッドに腰掛けタバコを吸うレンさんの姿を見るのはこれで何度目だろう。
「…エマ」
あぁ、この関係に名前が欲しい。
わたしを呼ぶ愛おしい人の声。
…わたしはこの声に自分の気持ちを全て伝えたくなってしまう。
好き。
レンさん、大好きですよ…。
