「エマを車から降ろしたらアキトがうるさいだろ」 エマを連れて帰れなくなると続けたレンさん。 普段わたしの名前を呼ぶことが少ないレンさんに何度も名前を呼ばれる。 いつになく甘いレンさんに胸の鼓動が速くなる。 間もなくしてレンさんの家に着いた。 手を引かれて最上階を目指す。 その間わたしたちは何も発することなく、やけに静寂が長く感じた。