レンさんの後を追いかけ着いたのは倉庫の1階で、黒龍、白龍、青龍の皆さんが勢揃いだった。
乱れなく並ぶバイクに圧倒されキョロキョロするわたし。
それとは正反対に真っ直ぐ前を見つめ進むレンさん。
『あれ、今日は車なんですか?』
いつものバイクではなく車へ向かうレンさん。
「あぁ、早く乗れ」
……早く乗れってわたしも行くの!?
『わたしも乗るんですか?』
てっきりわたしとシホは幹部部屋で待ってるものだと思ってた。
「エマ、怖いなら乗らなくていい。お前とここに残る」
それはつまり、わたしが車に乗らなかったらレンさんは倉庫に残ってくれるってこと。
わたしのせいで主役がいない走りになるなんて、出来ないよ…。
『わたしが乗ってもいいんでしょうか…』
「俺がいいからいい」
レンさんはわたしの頭に手をのせ優しく笑った。
それから車に乗って間もなくバイクを吹かす重低音がやけに大きくなってきた。
