怖くてどんどん視界が滲んできた。
レンさんの怒っていた表情が少し焦りに変わったように感じた。
ポロポロと涙を流す私は大好きな香りに包まれ、その安心感からか更に涙が止まらなくなった。
暫くレンさんの香りに包まれたままひとしきり泣いて少し落ち着いてきたわたしに、
「なにもしねえから、誰にやられたかだけ言ってくれ」
俺の気がすまねえからと続けるレンさんはさっきより冷静さを取り戻しいつものレンさんに戻っていた。
『……誰かは分からなくて…3年生って事くらいしか……』
「そうかよ、教えてくれてありがとな」
ポンポンと頭を撫でてくれるその仕草に擽ったさを感じた。
その瞬間教室のドアが開いた……。
