【完】オキナグサに愛を込めて



あの日からお昼休みになるとアキトさんは毎日わたし達の教室へやって来た。


「エマちゃん!今日も来ちゃった」


語尾にハートが付きそうなアキトさんに着いて溜まり場の教室へ向かう。


レンさんとアキトさんに挟まれた大きなソファーがわたしの居場所。
3人で座っても余裕があるくらいの大きなソファーは座り心地がとてもいい。


他愛もない会話を繰り返す中、毎回アキトさんが聞いてくれることがある。

「エマちゃん、何かされたら絶対言ってね!女って怖いから」


『……?』

「とにかく、何かされたら必ず俺に言うこと!いい?」

『はい…。』

「……エマちゃん既に何かされてたりする?」


心配するアキトさんとその言葉に反応したレンさん。

『いえ、ないです!何もされてません。』


何をされるんだろうと思ったのが含みを持たせてしまったのかアキトさんに何度も聞かれた。


本当にないですから!と否定するわたしに何かあったら絶対言うんだよ!とアキトさんに念押しされた。