「エマちゃん、慰めて……」
子犬すぎるアキトさんに思わず手が伸びそうになった。
「エマ」
『は、はい!』
レンさんに初めて呼ばれた名前……。
「もう授業始まるぞ」
その時お昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。
『あ、そうですね……』
突然名前を呼ばれたのもレンさんの気まぐれなんだろうか。
……「エマ」その声が何度も頭の中を木霊する。
「エマ!早く教室戻るよー!」
イチジョウさんと話してたはずのシホはすでに教室ので出口でわたしを待っていた。
レンさんとアキトさんへ別れを告げ教室を後にした。
