完全に自己満だったそのキーホルダーは、捨てられてもいいと思っていたから受け取ってくれただけで嬉しかった。 「そろそろ送る」 ……それは今日の終わりを告げる言葉。 夢見心地だったのが一気に現実に戻されるような感覚に少し寂しさを感じた。 「まだどこか行きたいのか?」 『いえ!とても楽しかったので帰るのが惜しいなぁなんて……』 「フッ…次行きたいとこ考えとけよ」 そう言うとレンさんは駐車場へ向かって歩き出した。 ───……レンさん、狡いよ。