まって、後輩くん

「結城先輩、もう大丈夫なんですか?」





「ん??なにが??」





「前に泣いてたじゃないですか。結構辛そうだったから」





あんまり触れられたくはなかったけど、やっぱり気になっちゃうよね……。






「振られちゃったんだよね、あの時。それで耐え切れなくて泣いちゃってたの。情けないよね」





あははーって軽く流そうとすると




「情けなくはないでしょ。そんだけ好きだったってことじゃないですか。素敵だと思いますよ」





てっきり流されるか馬鹿にされるかだと思っていたから、そう言ってくれる彼の言葉が心に刺さった。





「でもそれだけ好きだったのに振られちゃったんだよ。しかも子供っぽいって理由でね」






「それでこの前子供っぽいとかなんとか言ってたんですね」





もーなんでそんな事まで覚えてんのよ。
恥ずかしいじゃん。



そんなことを思っていると
「まぁ子供っぽい先輩も可愛いと思いますけどね」
と彼は付け加えたように言った。





さらっと言われた言葉に心が揺れる。




冗談なのか本気なのか分からない。






「もー、年下がそんなこと言わないの!」



真に受けちゃう前に流さなきゃ。





「だから余計にですよ。俺、年下で後輩ですけど、先輩のこともっと知りたいです」






流さなきゃ。流さなきゃなのに意に反して言葉は何も出てこなかった。



少し顔を赤らめる私を置いて彼は「お疲れ様です」と言って帰ってしまった。