まって、後輩くん

「はぁ……はぁ……」





「先輩って体力無いんですね。こんな短距離走っただけでそんな息切れますか?」





「いきなり走ったら誰でもそうなるの!ってか何で先輩って分かるのよ」






「何でって先輩のリボン赤じゃないですか。学年で色分かれてるのですぐ分かりますよ」






そう言われて彼のネクタイを見ると青いネクタイをしていた。青ってことは1年生……。



そんな事にも気付けないなんて、私ってば動転しすぎ。





「そんなことはどうでもいいの!!昨日ぶつかったのが何で私って分かったのよ!!」






「先輩って可愛いから俺たち1年の中でも結構有名ですし。昨日は似てるなって思っただけで、人違いかと思ってましたけど。その反応は先輩だったんですね」






人違いってことにするんだった……。
そんな後悔はもうしても遅かった。






「……昨日のことは誰にも言わないで」







「なんでですか?別に誰だって泣くことくらい——」






「……道端で惨めに泣いてるとか知られたくないの、それにそんなの知られたらまた子供っぽいって……」




だんだん思い出して声が掠れていく。






「なんですか?まぁいいです。秘密ってことですよね?」





そう言うと彼は悪戯な顔をして笑った。