まって、後輩くん

屋台の通りを一緒に歩く。

金魚すくい、射的、わたあめ、たこ焼き。どれも「これ昔やった」「あ、これ苦手だった」と、少しずつ話しながら回っていく。


途中、夏目くんがすれ違ったカップルをちらりと見て、何も言わずに私との距離を詰めてきた。肩と肩が触れそうになる距離。



「……わざとでしょ」

 

「バレました?」

 

軽く笑うその顔に、もう「後輩だから」なんて言えなくなっていくのが分かる。



「迷子になったら危ないから」
そう言って夏目くんは私に手を差し伸べて笑う。




私は俯きながらも彼の手を取った。