まって、後輩くん

頭が真っ白になる。

さっきまで微かに聞こえていた歓声も、風の音も、どこか遠くに消えていった。


「今……なんて……?」




「先輩のことが好きです。出会ってから関わるたび好きになってました」





「うれ、しい。私も夏目くんのこと、すき……だから。でも……」




いきなりで頭が追いつかない。私も好き。

でも彼の人気っぷりを見てしまったから。
また振られたらどうしよう、そんな不安がどんどん出てきてうまく声が出せない。


何か言わなきゃ……。



「先輩。分かってますよ。今すぐにじゃなくていいです。先輩の気持ちが聞けたから。付き合えなくても好きって思ってくれてることが分かったので」





「ごめん……」





「謝らないでください。ごめんよりもありがとうって言うんですよ、こういう時は」



そう言って彼は微笑んだ。



「ありがとう、前もあったね、こんなこと」



私もクスッと笑ってしまった。




「やっぱり笑ってる先輩は可愛いです。ずっと好きなので、ゆっくりでいいです」




私の不安を全部読み取ったように優しい声をかけてくれる。



彼と元恋人を一緒にしちゃいけない。

彼のこと信じてもいいのかな。