まって、後輩くん

午後の種目1番目は、学年別クラス対抗リレー。


選抜メンバーだった夏目くんの走りは本当に速くて、他のクラスをぐんぐん引き離していく。


アンカーにバトンが渡される頃には、校庭全体が歓声で揺れていた。



夏目くんのクラスは圧倒的1位だった。
クラスメイトが彼に駆け寄る。



人気者だなぁなんて考えて眺めていると、輪の中から主役が出てくる。




その主役は私の方へやってきて




「先輩、ずっと俺の方見てたでしょ。バレバレですよ」



とだけ告げて輪の中へと戻っていく。


心拍数があからさまに上がる。気付かれていた。目で追っていたことも。そして多分鼓動が速くなっていることも。