朝はスマホの目覚ましをやっと止めて2人は体を起こした。
「体、大丈夫?詩織」
「うん、筋肉痛だけど、これは多分練習内容が変わった事による……うーんと、えーと、何といえば……」
「ぷはっ、何も言わなくていいよ(笑)詩織に語彙力は求めてない」
「もー、ひどい、むぅ」
ぷくっといつものように頬を膨らませた。
慶太の親指と人差し指で挟まれて詩織のほっぺたは膨らみがなくなった。
いつも挟まれてぷっっと音が出る。
「可愛いなぁ、相変わらず」
慶太は立ち上がり、昨日の夕食の残りを温めてくれた。
「食べよ」
よいしょと両手で引っ張ってくれてやっと詩織も目が覚めてきた。
「詩織」
「ん?」
「春までに1度は戻ってくるからさ、学生でも籍だけ入れようか」
詩織はごくんと飲み込んだ。
「マジで言ってる?」
「向こうは5月か6月くらいが卒業になるからドラフトもあるし、俺としてもその前がやっぱりいいな」
「ありがとう(笑)変なこと言っても慶太くんは許してくれるからかっこいいよね」
「まあ、理由が面白かったからさ、青木、江藤だったらどうなってたんだろうなとか俺も考えちまった(笑)」
「んー、あおえと?(笑)いやおかしいよねー」
「その代わり、まつだいらを好きになるなよな」
「キャハハ、まつひらだって言ってんのにー、サンバ踊る人じゃないんだよ(笑)」
「朝から腹いてぇ、笑わすなよな」
「私だってお腹も筋肉痛なんだから慶太くんだって笑わさないでよ(笑)」
しばらく2人は笑いのツボに入り、時間ギリギリまで2人で笑いあった。
玄関を閉めて慶太は鍵を詩織に返した。
「ありがとうな、詩織」
「ううん、2人で前に進もうね」
最後にキスを交わして慶太は全日本のホテルに戻って行った。



