桜の雨 (ALTO RE・COD)

「かおる、かおるも悲しい?」

「そうだね、悲しいけれど幸せだよ」

「幸せ?」

「うん。アルトが居るから、幸せだよ」

「かおる? 幸せなのに何故、泣いているの?」

アルトの優しい声が聞こえる。

「アルトがずっと居てくれたら、アルトの側にずっと居られたらいいな」

「かおる? ずっと側にいるよ、俺はずっとかおると一緒にいるよ」

「ーーうん」

わたしはアルトをギュッと抱きしめたまま、桜を見上げた。

アルトが「桜の雨」といった、桜の花びらが散るさまを見つめた。

ーーアルトが好きです、どうか、わたしからアルトを奪わないで、あの時みたいに、アルトを消滅させないで。わたしがアルトを誰より幸せにするから

心の中で何度も何度も叫び、誓い、願い、祈りながら。