一般庶民と御曹司

蒸し暑い7月。
朝から女子の黄色い声援が聞こえる。

「今日うちのクラスに転入生来るんだって〜!!」
「え!!誰かなあ??」
「風の噂だとあの、有名な各良木唯太様だって!」
「え!あの?!」

最近よくテレビで流れる御曹司こと。各良木唯太。

私はベランダの1番奥の席。外を見ながら寝そべり、ウトウトしていた。

「みんな席につけー。」
ドカドカ歩きながら気だるそうにHR始めたのは化学の先生スズキだった。
「みんな知ってるだろうけど、今日からここに転入生が来るー。入ってこーい」

そういうと転入生は教室の扉を開けスタスタと入ってきた。
「各良木唯太です。親の都合で引っ越してきました。よろしくお願いします。」
深々と頭を下げ私たちの席から各良木のつむじが見えた。

教室内では拍手の音がひびき、教室みんな各良木を待っていたような表情だった。特に一軍の女子は。

「各良木の席はー、歩佳の隣の席だ。歩佳は、あのベランダ側の1番奥の席の女子だ。」

私の隣の席は転入生が来るらしく、数日前から準備されていた。

「わかりました。」
そういうと御曹司はスタスタと私の隣の席に向かった。

「よろしくね。歩佳?さん。」
御曹司が席に着き、私に挨拶をしてきた。
「よろしく。」