夜勤の担当からの引き継ぎを終え、業務につく。頭が普段より重い気がしたが、業務に支障が出るほどではないだろう。
どうせ、昨日見た光景のせいに違いなかった。
朝の離陸ラッシュをようやく乗り切った美空は、だしぬけに肩を叩かれて飛びあがらんばかりに驚いた。
「――だそうだ、木崎。……おい、木崎?」
「あっ、瀧上さん。すみません! えっと、今なんて」
「中部の滑走路が閉鎖されたらしい」
「えっ、閉鎖?」
「ああ、管制的に言えばRunway closedというやつだな。着陸便の機体にバードストライクがあったらしい」
中部国際空港が有する滑走路は長く、大型機の発着が可能だ。
ボーイング社の機体パーツを運ぶ、超大型の専用輸送機が、国内で飛来する唯一の空港でもある。
業務では毎日のように中部国際空港を発着する便を管理しているが、実際に行ったことはなく、いつかは見てみたいと思っていた。
その中部で滑走路閉鎖とは。
ぼうっとしていた自分を心の内で叱りつけ、美空は中部に向かって巡航中の機体に連絡を取る。
滑走路の閉鎖がいつ解消されるかによって、柔軟に対応しなければならない。天候のせいではないだけ、まだ楽だろうが。
影響が見込まれる便の調整を終えれば、その勢いで普段どおり作業に集中することができた。
「今日はいつもより一日が長く感じました……」
勤務時間が終わり、次の担当への引き継ぎをすませると、美空は自席を立ちながら大きく伸びをした。
「お疲れ。今日の木崎はまさに『Runway closed』だったな。いや、空港封鎖か?」
「ええ? なんですかそれ」
「そのまんまだよ。心を閉じているように見えた」
どうせ、昨日見た光景のせいに違いなかった。
朝の離陸ラッシュをようやく乗り切った美空は、だしぬけに肩を叩かれて飛びあがらんばかりに驚いた。
「――だそうだ、木崎。……おい、木崎?」
「あっ、瀧上さん。すみません! えっと、今なんて」
「中部の滑走路が閉鎖されたらしい」
「えっ、閉鎖?」
「ああ、管制的に言えばRunway closedというやつだな。着陸便の機体にバードストライクがあったらしい」
中部国際空港が有する滑走路は長く、大型機の発着が可能だ。
ボーイング社の機体パーツを運ぶ、超大型の専用輸送機が、国内で飛来する唯一の空港でもある。
業務では毎日のように中部国際空港を発着する便を管理しているが、実際に行ったことはなく、いつかは見てみたいと思っていた。
その中部で滑走路閉鎖とは。
ぼうっとしていた自分を心の内で叱りつけ、美空は中部に向かって巡航中の機体に連絡を取る。
滑走路の閉鎖がいつ解消されるかによって、柔軟に対応しなければならない。天候のせいではないだけ、まだ楽だろうが。
影響が見込まれる便の調整を終えれば、その勢いで普段どおり作業に集中することができた。
「今日はいつもより一日が長く感じました……」
勤務時間が終わり、次の担当への引き継ぎをすませると、美空は自席を立ちながら大きく伸びをした。
「お疲れ。今日の木崎はまさに『Runway closed』だったな。いや、空港封鎖か?」
「ええ? なんですかそれ」
「そのまんまだよ。心を閉じているように見えた」



