大嫌いなパイロットとのお見合いはお断りしたはずですが

 意識が軽く浮いている状態とでも言えばいいだろうか。なにも考えられなくなってしまう。

「酒は飲んでなかったはずだけど。美空、ちゃんと聞いてる?」
「聞いてる……。なんか、気持ちよくて……んっ」

 唇を食むようにして触れ合わせられる。美空の目がとろりと蕩けた。
 は、と漏れた朋也の吐息が、彼もまた美空とのキスで興奮しているのだと伝えてくる。

「その顔だと怪しいな……俺が美空をどれだけ愛してるかも、わかっていないんじゃない? 死ぬまで俺のそばにいてほしいんだけど」
「んっ……えっ?」

 ぬるま湯に浸かるような気持ちよさから、美空は目を見開いた。

「今の、も、もう一度お願い」
「やっぱり聞いてなかった。美空を愛してるってこと? それとも結婚してって言ったほう?」
「けっ、え? え? りょ、両方で……!」

 美空は思わずのけ反って朋也を凝視する。
 心臓が痛いほど脈打ち始めた。
 苦笑した朋也が、一転して真剣な表情で美空を見おろす。
 ソファについた両腕で美空を囲って、逃げられないようにした上で。

「死ぬまで俺といて。美空が笑うときも、泣くときも、怒っても、その隣には俺がいたい。俺が受け止めたい。だからぜんぶ俺に見せて。いつでも、美空のところに帰らせて。……美空を愛してる」

 美空は大きく息を吸いこんだ。
 今度は、聞き間違えようがなかった。