だけど、朋也は美空の仕事を見てくれている。認めてくれている。それが美空のものだと知らなくても。
「朋也が好き。自分で思っている以上に好き。だからこれからも――」
言いかけた美空の唇を、朋也の指が塞いだ。
「っ?」
「その先が俺の予想どおりなら……俺より先に言うのは許さないから」
どうしてと尋ねるはずだった言葉は、朋也の唇にのみこまれていった。
*
『――父の喜びようを見て気が沈む自分が嫌』
隣でうつむいた美空の肩が小さく震えていたのを、朋也ははっきりと覚えている。だが東京に戻ってから、きちんと話をする時間も取れていない。
そんな中迎えた、バレンタインデーの深夜。
朋也が美空との通信を終える横で、名取がタブレットを開いた。
操縦桿を握っているのは朋也なので問題ない。名取は変更後のフライトプランが送られるのを待ち構えているのだった。
機体はすでに日本上空を飛んでいる。羽田に向かうルートを中部行きへ変更するならば、修正されたフライトプランの承認後即座に東京コントロールと呼ばれる空港間を巡航する機体の管制機関と通信し、情報を共有する必要があった。
それが遅れれば遅れるほど、燃料を無駄に消費することになる。
「来た来た。早いですね。承認……っと。うん、やはりこれがもっとも安全なプランですね。さっきは、沖形君が羽田着陸を強引に進めるんじゃないかと冷や冷やしました」
ぎくりとすると、名取が「やはり」と口の端を上げた。
「自分なら、この暗闇でも積乱雲を避けて着陸できると思っていたでしょう」
「まあ、そうですね。どうしても羽田に帰りたかったですし……でも、彼女の声を聞いて目が覚めました」
「朋也が好き。自分で思っている以上に好き。だからこれからも――」
言いかけた美空の唇を、朋也の指が塞いだ。
「っ?」
「その先が俺の予想どおりなら……俺より先に言うのは許さないから」
どうしてと尋ねるはずだった言葉は、朋也の唇にのみこまれていった。
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『――父の喜びようを見て気が沈む自分が嫌』
隣でうつむいた美空の肩が小さく震えていたのを、朋也ははっきりと覚えている。だが東京に戻ってから、きちんと話をする時間も取れていない。
そんな中迎えた、バレンタインデーの深夜。
朋也が美空との通信を終える横で、名取がタブレットを開いた。
操縦桿を握っているのは朋也なので問題ない。名取は変更後のフライトプランが送られるのを待ち構えているのだった。
機体はすでに日本上空を飛んでいる。羽田に向かうルートを中部行きへ変更するならば、修正されたフライトプランの承認後即座に東京コントロールと呼ばれる空港間を巡航する機体の管制機関と通信し、情報を共有する必要があった。
それが遅れれば遅れるほど、燃料を無駄に消費することになる。
「来た来た。早いですね。承認……っと。うん、やはりこれがもっとも安全なプランですね。さっきは、沖形君が羽田着陸を強引に進めるんじゃないかと冷や冷やしました」
ぎくりとすると、名取が「やはり」と口の端を上げた。
「自分なら、この暗闇でも積乱雲を避けて着陸できると思っていたでしょう」
「まあ、そうですね。どうしても羽田に帰りたかったですし……でも、彼女の声を聞いて目が覚めました」



