由良君は離さない

「…」



真夜中に目が覚めた。



「……しまった」



起き上がった私は
額を手で押さえながら、ため息をつく。


着替えず、そのまま寝ちゃったから
制服がくしゃくしゃ。



……着替えて、お風呂に…



「…」



そう思うのに、体が動かない。




目覚めた瞬間から
ずっと、胸の中のざわつきが収まらない。



あの人のことで
自分が思う以上に心が乱れていたようで


言い様のない不安と恐怖が私を襲う。




すぐ側に置いていたスマホを手に取る。


画面に表示された『由良君』の文字。


無意識に由良君に電話をかけようとした
自分に気付いて、その指を止めた。