由良君は離さない

その理由は―…




――……




「…」



由良君の家に寄ってから
自分の家へと帰ってくれば


リビングのテーブルの上に
『今月分』と書かれた封筒が置いてあった。



「……帰ってきたんだ」



分厚いその封筒を手にとった私は
ぽそりと呟いた。


確認しなくても
その中身が何か知ってる私は、小さくため息をつく。



……こんなにいらないのに



相変わらず、金銭感覚が狂ってる。



……まあ、おかげで
何不自由なく暮らせているわけだから
そこは、感謝しないと…



「…」



何か作るつもりだったけど
なんだか食欲も湧いてこない。


私はそのまま、リビングの電気を消して
自室へ向かう。


途中、とある部屋のドアが
閉まりきっていない事に気付いて、足を止める。


半端に開いたそのドアの隙間から
中の様子が確認できる。


この家の中で一番広いその部屋の中は
服やアクセサリーと言った装飾品、靴、鞄
化粧用品、美容器具等で溢れている。



「…」



ものであふれ、散らかっている部屋のドアを
そっと閉じて、私は止めていた足を動かした。