由良君は離さない

恋愛感情なのに、恋人になるのは嫌。
恋人になるのは嫌なのに、一緒にはいたい。


好きだから
もっと触れたい、愛を伝えたい。


好きだからこそ
それ以上は触れられない、伝えられない。


自分の考えが矛盾してるって、頭では解ってる。


でも、自分では、どうしようもできない。




『そういう』環境下で育ったから。




付き合っては別れて

別れては、また別の人と、すぐ付き合って

そんな人を間近で見てきた。



あんなに嬉しそうに

幸せそうに笑っていたのに。



あなたが一番だと

あなたが最初で最後だと言っていたのに。



大事にしていたはずの相手を

一番を


ああも、あっさり、自分から捨てる。




………幼い自分の中には


好きな人と付き合うこと


恋人になる=「別れること」


という方程式が、深く刻みつけられた。



成長するにつれ
次第に、色んな側面から物事を客観的に見ることができるようになってからも


私が見たそれが
世の中のすべてじゃないって解ってからも


幼い頃に受けた影響というのは
なかなかに大きく、強く心に根付いていて


偏った恋愛観を
完全に拭い去ることは出来なかった。