由良君は離さない

――……



懐かしい記憶が遠ざかる。



「…」



目が覚めた時
私は由良君の部屋のベッドの上にいて


隣には、由良君が眠っていた。



私を抱き締めるようにして眠る由良君。




『何かあったら、俺呼んで』


『すぐ、綴のとこに行くから』




……あの日の言葉を、約束を
由良君は、ずっとずっと、守ってくれてる。




「…」




窓の外は、うっすらと明るくなっている。


深い夜が、もうすぐ終わる。



視線を由良君へと戻した私は
あどけない寝顔を、ぼんやり眺めた後


そっと、その頬に触れて



「……由良君、ありがとう」



小さくお礼を言って
その腕の中で、再び目を閉じた。