由良君は離さない

そのまま、言葉に詰まっていると


スマホ越しに
ベッドから起き上がるような音と
衣擦れの音が微かに聞こえて


答えて早々に
外出する準備を始めてる様子の由良君。


いつもは、のんびりの由良君だけど
一度、こうと決めたときの行動力は
目を見張るものがある。


たじろぎながらも、私は由良君に声を返す。




「……じ、じゃあ、私が行くから…」

『だめ。危ないし
それに、綴、泣いてるでしょ?』

「………泣いて、ない」

『どっちにしろ、迎えに行くから
ちゃんと家で待ってて。じゃあ、切るね』




念を押すように言って、由良君は電話を切った。