わたしは結木幸。

18歳の夏、全ての記憶を思い出した。

まだ蝉が鳴いてるころのはなしだ。

ひぐらしの鳴く頃、


自分の失態や、どれだけ周りの人を悲しませたか、

またはその逆か。


楽しかった記憶もあった。


でも貴方の顔だけは思い出せないのーー。


どうしても。知りたかった。


ニャーオ。


後ろでひと鳴きする近所の茶トラ猫。

「お前は呑気だね。私は今日から社会に出ていくんだ。



あまり言葉を理解できなかったその猫とやらは、
ひと睨みしてから眠りに入った。


本当呑気だなー。。