「はぁーおもしれ。……こんな俺に真正面から突っかかってくるやつ初めてだわ。」
「……どーも。」
ひとしきり笑った後、皇帝さまはこちらをジロジロ見つめてきたため居心地が悪くなる。
……やめてもらいたい、普通に気まずい。
「お前、名前は?」
「…人の名前聞くならまずは自分から名乗ってくれません?」
まぁ、ちなみに内心私はあんたに名前を教えたくないけどね。
……このまま私に興味持たないで去ってってくれないかな?
なんて喧嘩売ったにも関わらず願うがそんなの叶うわけもなく。
「……フッ、ハハッ。彪乃漣空、これが俺の名前。」
「彪乃くん……。」
私の何がおかしかったのか謎だけど、笑いながら教えてくれた名前を反芻する。
……いかにもって感じの名前の人だった、なんかめちゃくちゃ強そうじゃん…。
「で?お前は?」
………本当はここまで注目を浴びたし名前くらいは知られたくなかったんだけど………うえ、ごめんなさい早く名乗ります!
名乗ったんだから早く名乗れ、と目で圧をかけられたため慌てて口を開いた。
「私は恋暖!蓮海恋暖。よろしくね!あと……さっきは私も道塞いでてごめんなさい。」
「……っ。別に。……こちらこそよろしく、恋暖。」
これが、私と彪乃漣空の出会いだった。
………私たちを狂わせた最悪な出会い。
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「ばかれのっ!!何であんなことしたの……っ!?」
「ごめんなさーい……。」



