「……はぁ…っ、はぁ…」
だいぶ燃え盛ってきた。煙で周りは見えないし息もしづらい。いや、息苦しい。
「……っ、はぁ。だい、じょーぶ?」
「…はぁっはぁ、うん…っ。……ねぇ漣空。最後にキス、して?」
愛している人とキスしたまま死ねたら……もっと幸せになれそうでしょう?
なんて……どこのわがままお姫様だろうか。
「ん、いーよ。」
優しく笑って頷いた直後、目を伏せた漣空が近づいてきて、温かいものが唇に合わさる。
……あぁ、やっぱり幸せ、だなぁ。
燃え盛る炎の中で……私たちは熱い熱いキスを交わし続けた。
幸せを求め、互いを愛し続けるために。
fin.



