「漣空は私のこと、愛してる?」
私がそう聞いたのは火を放つ1分前。
ガソリンで水浸しのようになった部屋はかなり臭い。
焼死する以前に嗅ぎ慣れないガソリンの匂いでで窒息死しそうなくらいには臭かった。
目の前には2箱のマッチ箱。
これが全てシアワセになるためのスタートであり、スイッチボタン。
……着火剤だ。
私たち2人は恋人繋ぎをしてソファに座り込んでいた。
「あぁ、もちろん。この世で1番愛してる。幸せになるために一緒に死のうって提案するくらいには、ね。」
そう言った漣空は笑顔を浮かべ箱から取り出したマッチに火を付けた。
___そろそろ時間のようだ。
「漣空、愛してる。絶対絶対あの世で幸せになろうね。私を離したら許さないからねっ。」
「ふはっ、もちろん。あの世では俺の腕の中に閉じ込めて離さないから覚悟しといて。」
顔を見合わせて笑った。
漣空の瞳にはさっきと違って涙1つない、私の満面の笑みが映っていた。
もちろん私の瞳にも漣空の優しい笑顔が、ね。
それを確認した私たちは同時に火の付いたマッチ棒をガソリンの海に投げ落とした___



