「……っ!!!」
さすがに言葉を失った。
喉が潰されたように声を発することができなかった。
……心中。
自分で自分を、殺す。
男女が愛情を確かめるために一緒に自殺を図ること。
「…漣空はどう思ってるの?」
「これでいいと思ってる。……俺らの両親だって同じことをしてんだから、悪いはずない。」
相変わらず表情から心理は読み取れなかったが、なんとなく心の底からそう思ってるように感じた。
「……うん。私もいいよ、しよ。心中。」
「…っ!本当に?」
自分で提案したくせに信じられないって表情を浮かべた。
……やっぱこの人は優しすぎるよ。
「いいよ、いいの。……漣空と一緒にいられないなら、この世界を生きる必要なんてない。」
「………恋暖。わかった、一緒に死のう。」
___これが残酷で最悪な選択だなんて全く思ってもいなかった。
ーーーーーーーーーー
ーーーーー
「必要なもの持ってきた。…いつでも、実行できるけど。」
「今日の夜、お母さまとお父さまが火事を起こした時間と全く同じ時間に火をつけよっ。」



