BLACK ROSE ___歪んだ純愛




敵なんていないのに必死に走り続け、誰もいない特別棟の方まで逃げた。



……まるで駆け落ちをする2人の逃走劇みたいだった。






「…走ってごめん。恋暖、大丈夫?」

「…っ、うん。大丈夫だよ。」


しかし、反して心臓は壊れそうなほどバクバク鳴り響き、傷口に直接消毒液を当てられてジクジクと染みてくるように痛かった。


………何も考えられない。考えたくないっ。







「……やっぱそうだよな。」



「えっ?」



まるで自分自身に言い聞かせるような小さな声。
私たち2人が発した声ではないけどすごく聞き覚えのある声だった。





「…はぁ。やっぱ仕組んだの周、お前だろ。」


「………!?」



……、周が…?

漣空…気づいてたの……?周がやったって……。



「……まぁ。明らかにあの文字の書き方の癖がお前特有のものだったから。」

そう言われてみればそうかもしれない。
周の書く字はあまりにも癖がありすぎる。



「……はぁ、定規使えばよかった。てかこんな大ごとになるなんて思ってもいなかったな。」


「そう思うならするな、てかさっさと沈静させてこいよ。」

「フッ、もう情報は抹消した。恋暖の幼馴染の立場利用してこんなのありえないって俺が捨ててきたよ。そして教師とかに広めるなって。」



ニヤリと不敵に笑ったつもりなのだろうが、感情がごちゃ混ぜになって歪んでいる…そんなように見えた。





「はぁ、うっざ…用意周到すぎ。」


心底ウザったそうに目を細め首に手を当てた漣空。





「さて。全てを話してもらおうか。
___周。」



「……本当に…あまね…、なの…?」





…ねぇ、嘘だよね……?ウソって言って……!




そう一生のお願いのように心の底から強く願う。

だが、現実はそんな自分が思い描く幻想のように甘くない。


……こういうとき、いつも私は願ったものと真逆のストーリーを引き当てるんだ。