「……ほんっとバカだよ!!なんで、そんな不器用なことばっかりしてるの!?その他人との壁があるからいけないんだよ…っ!
……変わりたいって思ってるのに、何で他人を信じてみようとしないの!!?
もっと……っ、他人をよく見てよ!!」
「………っ。」
不器用で人を怖がって近づこうともしなくて。
「さっきの話。わかるとも辛かったよねとも言えない。そんなの口から発しただけのただの言葉でしかないから。でも……親がいない寂しさなら分かる。」
「…は、」
「私も親がいないの。中3までは施設暮らしで去年からアパート借りて一人暮らししてるよ。」
周と寧羽と桃萌以外には初めて明かした事実。
なぜか分からないけど、彪乃漣空には躊躇うことなく私の秘密を明かすことができた。
「恋暖も……。」
「うん。だから、孤独の辛さは人より理解してるつもり。……からといってそんな彪乃くんを救えるような言葉を持っているわけでもない。」
「………。」
……私なら、共感はしてほしいけど、そんな簡単に自分の辛さが分かられてもたまらない。
それはそれでイラついて虚しくなる。
誰だって自分の同じ辛さを味わってる人はいないから。
「でもね、あなたの壁を取っ払って引き上げることくらいはできる。……孤独を捨てるには、大切だって思える人がいないとねっ。」
……だからさ、もう捻くれるのも誰かを傷つけるのもやめよ?
人の裏なんて考えないでありのままの見えるものを信じてみよう……?
絶対なんて約束はできないけど、できる限りあなたを助けたいになりたいって思ってるし、また絶望しても引き上げてあげるから……。



