記憶はないし親もいないから聞きようがないが、私が思うにこの瞳は生まれつきだと思っている。
…遺伝なのか、何かの想いのせいで私が捻じ曲げられたのか………。
そんなのわかるはずないが、たまに考えたりもする。
ちなみにマカライトというのはある一種の宝石だ。
なぜこんな難しいたとえを選んだかと言うと、私がマカライトという宝石を見た瞬間、本能的に私の瞳と同じ色だと感じたからだ。
「いよっし!」
カラコンを付けた私は左右同じ黒い瞳をしている。
こうやって隠してるけどみんなと違うこの瞳を私は結構気に入っている。
普通じゃない私はいじめられたり、変な記者に捕まったりすることが多々あったため、育った施設の先生に言われて隠すことにしたのだが。
なんて考えていたがふと家を出ないと電車に乗り遅れることを思い出し、仕上げに謎に持っていたHIBARIの香水を振りかけリビングに戻る。
「いってきま〜すっ!」
荷物を持った私は慌てて家の鍵を閉め、うるさい足音を響かせながら階段を降りる。
アパートの階段を降りきった私はその場で静かに一跳ねし、地面に足をつけた瞬間に思いっきり走り出した。
ほんっとに………いつも、いっつもやばいよ〜〜っ!!
ワイシャツの隙間の胸元からキラリと輝くネックレスが見えていた。
そして……そのネックレスにはマカライトが埋め込まれていたのだった__
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「あっ、来た!れの〜!」
「お、今日は間に合ったみたいね。」
「高2にもなってこれとか呆れた。バカにもほどがあるな。」



