「てかそういえば桃萌さ、こんなに治安悪いのに何でこの学校選んだの?前、穏やかな青春過ごしたいって言ってなかった?」
ここで平穏な高校生活を送れるわけないと思うんだけど……。
だって皇帝に支配されている不良校でしょ?
「……そういえば言ってたな。」
昔のことを思い出すように呟いた周と黙って視線を桃萌に移す2人。
「そんなこと言ってないよっ!!?私はただ不良校だけは行きたくない__あっ。」
慌てて誤魔化すように口を開いた桃萌だったが、逆に口を滑らせてしまった。
「………。」
ピタリと口を閉じて私たち3人から逃げようと視線をそらし、後退りをはじめるが、完全にもう遅い。
はっきりと聞いてしまった。
「ふはっ、めちゃくちゃここ不良校よ?皇帝制度なんて残ってるくらいにはね。」
ニヤニヤと笑った寧羽は桃萌の頭を撫でた。
まるで子どもをあやすように。
「………うぅ。違うもんっ!ただ、皆と同じ高校に行きたかっただけなの…っ!」
「ふふっ!あははっ、」
「ハハッ。」
「……ふっ。」
顔を赤らめてうなる桃萌が面白くて笑いをこらえきれず3人で吹き出した。
「もう〜〜っ、やだ……。」
穴があったら入りたいよぉ〜〜と桃萌は半泣き状態になっている。
「そんなこと言わないで〜!桃萌は可愛いよっ。ちょーかわいっ!」
「…っえ?!ちょ、れのやめて…っ!ねぇ!寧羽たちも止めてよ〜〜!」
普通に可愛すぎだったから我慢できなくて抱きついちゃったけど、さすがに桃萌でもだめだったらしい。
私の腕の中でジタバタと暴れて抵抗し始めた。
そろそろ離してあげるか___そう思った瞬間に聞き慣れた聞きたくない音が鼓膜を震わせた。



