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「最悪」
そうつぶやいた私は、手元のテストに目を落とす。
一週間前にやった定期テストの数学が返却されたのだ。
「随分と落ち込んでるねぇ…」
と、私の後ろから話しかけてきたのは、黒髪ボブの色白美人、こと山本優紀。
優紀は小学校からの親友なんだ!
「だってぇ…」
私は、82点、と書かれた答案用紙を優紀に見せる。
優紀の手元には、98点の答案用紙が。
「こんなに無様な点数で!優紀にもぼろ負けで!
そりゃ泣きたくもなりますわい…」
憎たらしい奴め。
いくら私が勉強しなかったとはいえ!
「自分のせいでしょ」
「冷たいっ!」
優紀はいつもこんな感じだ。
塩対応だけど、意外と私の事分かってくれてるんだよな。
やっぱり、ちょっと憎たらしい。