6人全員がサンタの帽子なんかをつけて、パーティーも盛り上ってきた頃。
「ケーキいくか」
「やった、ケーキ!」
ついにあの、高級チョコレートケーキを食べる時がきた。
「いっただきます!」
まずは一口。
「うわ、なにこれ?!おいしい!」
「さすが高級ケーキだな」
「甘~いっ」
口々に感想を言い合うなか、大ちゃんだけはケーキの上の苺だけを食べていた。
「大輔もったいねーよな」
「こんなおいしいのに」
「これが、そんなにおいしいか?」
理解不能、と言った顔で、大ちゃんはあたしのケーキのクリームを、指で取った。
ホワンホワンのチョコレートクリームは、大ちゃんの指の上に形よくのった。
「おいしいよ?」
そう言って大ちゃんに笑顔を向けると、大ちゃんのクリームがのった指がスッと顔に近づいてきた。
「じゃ、あげる」
え、なになに…?!
反射的に、目をギュッと瞑る。

