麒麟様は、そう言って雷の檻で鳥型の怪異を閉じ込める。

僕は一言返事をすると、片手を耳飾りに触れた。

「――朱雀より皆へ。麒麟様からの伝言。至急××高校屋上まで来るように」

伝言を伝え終わって耳飾りから手を離すと、僕の目の前に白虎が着地する。白虎は四神としての衣装を身にまとっていて、片手には開いた扇子がある。

「……俺は、もともと近くにいたからね。朱雀から連絡が来る前には、朱雀の頭上にいたよ……あ、そうだ」

白虎はそう言って、耳飾りに手を触れた。

「こちら、白虎。朱雀と合流しました」

『――了解。こちら青龍。正門前に到着、先程玄武と合流しました』

「あちらも早いご到着だな。俺、迎えに行ってくる」

風を起こして、白虎はふわりと宙に浮くと正門に向かって飛んでいった。

「朱雀、その間に颯真殿に説明せい……本当は、僕からしたいところだけれど、怪異を捕まえておくことに必死でな……こやつ、ものすごい暴れよるから術を維持するので精一杯なのだ」

「かしこまりました」

いつものように、右手を拳にしてその手を左手で包んでお辞儀をすると、両手を降ろしてからくるりと颯真の方を向いた。

「……颯馬、実はね――」