西崎白(にしざきはく)。今世の白虎の名前で、家から徒歩圏内にある大学に通っている。

北原玄(きたはらげん)。今世の玄武の名前で、社会人。青龍と同じく、結構稼いでいるらしい。

そして、僕。朱雀こと南浦朱音(みなみうらあかね)。高校生。女の子っぽい名前だけど、僕は男の子だ。

僕らは四神としての記憶を持っているからか、今でも昔の名前で呼び合っている。

「おまたせ」

青龍が2人に声をかけると、2人は同時に顔を上げた。

「おー、きたきた」

玄武が、微笑む。僕は軽く返事をすると、白虎の隣、玄武の対面に座った。その隣に、青龍が座る。

前世からの、いつもの定位置。

「席順とか早く決めようぜ」

白虎の言葉に、僕は頷いた。席順や親を決めて、皆で牌を分ける。

麻雀。

僕が四神だった頃から、四神の皆で遊んでいたゲーム。

生まれ変わって、久々に麻雀を見た時はびっくりした。昔は手積みだったのに、今じゃ全自動だもん。

そんなことを思いながら、僕は牌を分かりやすいように並べ替える。

そして、今からやる対局である東風戦が始まった。



「ロン!」

青龍が切った牌を見て、僕はアガりを宣言する。手牌を倒して皆に見せると、皆は「えっ、すご!」と声を出した。

オーラスである東4局で、ラス目の僕。配牌を見て、狙えそうだと思ったとある役。