「こんな風にアルトと人が楽しそうに遊べるなんて……すごくいいよね」
「そうですね」
北斗さんが言うと、私はそう返事をした。
アルトたちの背中を私たちは視線で追う。見えなくなると、読みかけの小説を鞄から取り出して読んだ。北斗さんも何か難しそうな本を読みだした。
ああ、陽に当たりながらの読書もいいな。それもアルトがピクニックを提案してくれたお陰。あとでお礼を言わなくちゃ。
しばらくすると、アルトは朱里を抱っこして戻ってきた。お友達も一緒についてきている。
「ねぇ、かなちゃん、アルト、すごくうたがじょうずなんだよ! いっしょにうたったよ!」
「そうなんだ? 一緒に歌えて良かったね!」
――知ってる、上手なの知ってるよ! そして歌う姿がすごく可愛いの!
そう思いながらも、朱里が私に教えたがっている雰囲気だったから、今知ったかのような返事をしてみた。
「朱里、お昼ご飯の時間だよ!」と、お姉ちゃんが朱里を呼びに来た。
「えー、いきたくない。アルトといっしょにいたいよ」
「朱里、また今度いっぱい遊ぼう」
アルトがそう言うけれど、朱里はムッとした表情をしている。
「じゃあ、僕が抱っこしたまま、超高速であっちまで送ってあげる!」
「超高速? あはははは」
アルトは風のように走ってお姉ちゃんの元まで行った。朱里の友達も笑いながらついていく。
はぁ、なんて素敵な光景なの?
アルトと朱里が初めて話をした時を思い出す。とてもモジモジしていたな……。それから成長して、アルトが朱里に色々教えたりしてリードするようになって。喧嘩して、それから会わなくなって。そして今日、再会した。アルトのお兄さんらしくなった姿に胸が高鳴って、お弁当はまだ食べていないけれど、なんだかお腹いっぱいになった気分。
なかなか戻ってこないな……と、少し心配し始めたところでアルトは戻ってきた。
「そうですね」
北斗さんが言うと、私はそう返事をした。
アルトたちの背中を私たちは視線で追う。見えなくなると、読みかけの小説を鞄から取り出して読んだ。北斗さんも何か難しそうな本を読みだした。
ああ、陽に当たりながらの読書もいいな。それもアルトがピクニックを提案してくれたお陰。あとでお礼を言わなくちゃ。
しばらくすると、アルトは朱里を抱っこして戻ってきた。お友達も一緒についてきている。
「ねぇ、かなちゃん、アルト、すごくうたがじょうずなんだよ! いっしょにうたったよ!」
「そうなんだ? 一緒に歌えて良かったね!」
――知ってる、上手なの知ってるよ! そして歌う姿がすごく可愛いの!
そう思いながらも、朱里が私に教えたがっている雰囲気だったから、今知ったかのような返事をしてみた。
「朱里、お昼ご飯の時間だよ!」と、お姉ちゃんが朱里を呼びに来た。
「えー、いきたくない。アルトといっしょにいたいよ」
「朱里、また今度いっぱい遊ぼう」
アルトがそう言うけれど、朱里はムッとした表情をしている。
「じゃあ、僕が抱っこしたまま、超高速であっちまで送ってあげる!」
「超高速? あはははは」
アルトは風のように走ってお姉ちゃんの元まで行った。朱里の友達も笑いながらついていく。
はぁ、なんて素敵な光景なの?
アルトと朱里が初めて話をした時を思い出す。とてもモジモジしていたな……。それから成長して、アルトが朱里に色々教えたりしてリードするようになって。喧嘩して、それから会わなくなって。そして今日、再会した。アルトのお兄さんらしくなった姿に胸が高鳴って、お弁当はまだ食べていないけれど、なんだかお腹いっぱいになった気分。
なかなか戻ってこないな……と、少し心配し始めたところでアルトは戻ってきた。



