放課後になると教室の中が慌ただしくなった。閃爆との試合とあって、学校全体が熱気づいているようだ。
「みんな大丈夫?昨日はすごい乱闘だったんだよね?」
閃爆なんかには負けてほしくないけれど、大規模な乱闘騒ぎがあったのは昨日だ。疲れているだろうし、武器を持っている相手と戦って怪我をしている人もいる。
「心配すんな!今の俺たちは無敵だ!」
「そーそー、裏番長が帰ってきたからな。」
「裏番長?」
「紗里奈は知らねーだろ?よく見とけよ?」
教室を出て行くみんなを追って、私も校庭へ出た。観客のヤンキーはいつもの倍……いや、それ以上だった。校庭では大和くん率いる烈蘭組と大門寺率いる閃爆組が睨み合っている。
「薫くんが復帰したら勝ち目ないな~もう諦めよっかな〜」
声がして振り返ると棒付きキャンディーを食べている遥くんが立っていた。2組の人たちは校庭にいるのに、組長は外野のような場所にいていいのだろうか。
「遥くんは行かなくていいの?」
「昨日の雑魚争いで疲れちゃったんだよね〜みんなよくやるよ。」
そのうち怒号が飛び交い、試合が始まった。私はキョロキョロと辺りを見回して薫くんを探した。教室にもいなかったし、校庭にもいない。帰ってしまったのだろうか。
「薫は大和の横。」
「えっ!?」
慌てて顔を前に向ける。目を凝らすと大和くんのすぐ隣に学ランを全開にして腕まくりをしている薫くんがいた。
「あいつ、中学まで負け知らずで、大和より強かったんだよね~紗里奈の前では大量に猫かぶってたの。」
知らなかった……優しいとか思いやりがあるとか、温和な部分しか見てこなかったけれど、薫くんの中にもヤンキーな部分があったのだ。閃爆へ行くって考えたのも、自分が一番になるためだったのかもしれない。
試合が行われている校庭は、砂埃が舞い上がっているけれど、大和くんと薫くんが笑い合っている姿だけははっきり見えた。
「全然鈍ってねーじゃん。」
「当たり前。」
そんな声が聞こえくる気がした。向かってくる相手を次々に相手を倒していく2人は無敵だった。
「ねぇ、紗里奈〜俺と付き合わね〜?」
「は?」
遥くんからとんでもない言葉が飛び出して驚いた。
「彼女募集中なんだよね〜」
「そういう、誰でもいいみたいなこと言ってると、誰とも付き合えないよ!」
「……」
遥くんは黙ってしまった。私は気まずくなってしれっとその場を離れた。
「みんな大丈夫?昨日はすごい乱闘だったんだよね?」
閃爆なんかには負けてほしくないけれど、大規模な乱闘騒ぎがあったのは昨日だ。疲れているだろうし、武器を持っている相手と戦って怪我をしている人もいる。
「心配すんな!今の俺たちは無敵だ!」
「そーそー、裏番長が帰ってきたからな。」
「裏番長?」
「紗里奈は知らねーだろ?よく見とけよ?」
教室を出て行くみんなを追って、私も校庭へ出た。観客のヤンキーはいつもの倍……いや、それ以上だった。校庭では大和くん率いる烈蘭組と大門寺率いる閃爆組が睨み合っている。
「薫くんが復帰したら勝ち目ないな~もう諦めよっかな〜」
声がして振り返ると棒付きキャンディーを食べている遥くんが立っていた。2組の人たちは校庭にいるのに、組長は外野のような場所にいていいのだろうか。
「遥くんは行かなくていいの?」
「昨日の雑魚争いで疲れちゃったんだよね〜みんなよくやるよ。」
そのうち怒号が飛び交い、試合が始まった。私はキョロキョロと辺りを見回して薫くんを探した。教室にもいなかったし、校庭にもいない。帰ってしまったのだろうか。
「薫は大和の横。」
「えっ!?」
慌てて顔を前に向ける。目を凝らすと大和くんのすぐ隣に学ランを全開にして腕まくりをしている薫くんがいた。
「あいつ、中学まで負け知らずで、大和より強かったんだよね~紗里奈の前では大量に猫かぶってたの。」
知らなかった……優しいとか思いやりがあるとか、温和な部分しか見てこなかったけれど、薫くんの中にもヤンキーな部分があったのだ。閃爆へ行くって考えたのも、自分が一番になるためだったのかもしれない。
試合が行われている校庭は、砂埃が舞い上がっているけれど、大和くんと薫くんが笑い合っている姿だけははっきり見えた。
「全然鈍ってねーじゃん。」
「当たり前。」
そんな声が聞こえくる気がした。向かってくる相手を次々に相手を倒していく2人は無敵だった。
「ねぇ、紗里奈〜俺と付き合わね〜?」
「は?」
遥くんからとんでもない言葉が飛び出して驚いた。
「彼女募集中なんだよね〜」
「そういう、誰でもいいみたいなこと言ってると、誰とも付き合えないよ!」
「……」
遥くんは黙ってしまった。私は気まずくなってしれっとその場を離れた。



